「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

成語

与生俱来

与生俱来 [yǔ shēng jù lái]生まれながらに持つ。生まれつきの。訓読すると「生と倶(とも)に来たる」。出生に伴って来る、生まれた時にすでにあるということ。用例を見ていると、才能や魅力、また天賦の権利といった語とあわせて使われていることが多く、…

周而复始

周而复始 [zhōu ér fù shǐ]一回りしてまた始まる。ぐるぐると循環する。「周」は巡る、回る。「复」はまた、再び。一巡りしてもう一度始まるということ。出典 『漢書』礼楽志の「陰陽五行、周而復始」(陰陽五行は、一回りしてまた始まる)より。用例 一年是…

两全其美

两全其美 [liǎng quán qí měi]二つのことをうまく両立させる。同時に二つの利益を得る。一挙両得。一石二鳥。「两」は二つ、「全」はここでは動詞で全うする、完全に保つ、「美」は美点、良いところ、長所といった意味。訓読するなら「両つながらその美を全…

鱼和熊掌不可兼得

鱼和熊掌不可兼得 [yú hé xióng zhǎng bù kě jiān dé]魚と熊掌を共に得ることはできない。あれもこれも同時に手に入れることはできない。あっちを立てればこっちが立たない。「鱼与熊掌」とされていることも多い。「与」は「和」よりやや文語的になるが意味…

马不停蹄

马不停蹄 [mǎ bù tíng tí]すぐさま。休みなく。息つく暇もなく。馬が蹄を停めることもなく、ということで、間を置かず、すぐにそのまま、休みもせず続けて、といった意味。用例 快去马不停蹄地准备! 早く行ってすぐ準備しろ!今天是马不停蹄的十五个小时。 …

扬汤止沸

扬汤止沸 [yáng tāng zhǐ fèi]焼け石に水。その場しのぎ。表面的な対処で効果が薄いこと。沸き立つ湯をすくい上げることで冷まそうとする、原因をそのままにして表面的に解決しようとしても効果が薄いということ。対義語 釜底抽薪 [fǔ dǐ chōu xīn] ↑ 釜の底…

杀一儆百

杀一儆百 [shā yī jǐng bǎi]一罰百戒。見せしめにする。一人を殺して百人に警告するように、少数を処罰して多数への見せしめにすること。「儆」は「警」とも書く。警告する、戒めること。 日本語の「一罰百戒」にほぼ対応すると思われる成語。中国では「一罰…

惨绝人寰

惨绝人寰 [cǎn jué rén huán]悲惨極まりない。極めて無惨な。「寰」はもともと都の周囲千里を指したといい、広い領域、範囲のこと。「人寰」はすなわち人の暮らす広い領域、人の世。 「惨绝人寰」で悲惨さ、惨さの度合いが人の世を絶している、人の世にあり…

歌舞升平

歌舞升平 [gē wǔ shēng píng]太平をことほぐ。太平を謳歌する。「升平」は太平、平和な世の中。「歌舞」はここでは動詞で歌ったり踊ったりすること。歌ったり踊ったりして太平の世をことほぐ様子。ただし、この成語は「実際には太平ではないのに」「見かけば…

礼尚往来

礼尚往来 [lǐ shàng wǎng lái]礼は往来を尊ぶ。礼儀は相互にやりとりしなければならない。もらったらお返しするのが礼儀だ。「尚」は漢文訓読では「とうとぶ」と読む動詞で、尊重する、重視するということ。 「礼」は「往来」、相互の行き来、やりとりを重視…

冰冻三尺,非一日之寒

冰冻三尺,非一日之寒 [bīng dòng sān chǐ,fēi yī rì zhī hán]三尺の氷は一日の寒さではできない。物事には長い経過がある。昨日や今日の話ではない。ローマは一日にして成らず。三尺もの厚い氷は一日の寒さではできない、物事にはそこに至るまでの積み重ね…

不寒而栗

不寒而栗 [bù hán ér lì]ぞっとする。(恐怖で)寒気がする。震え上がる。怖気立つ。恐怖のあまり寒くないのに震えるということ。この「栗」は「慄」に通じ、戦慄、慄然などの熟語があるように、震える、おののくという意味。繁体字圏では「不寒而慄」と表記…

毛骨悚然

毛骨悚然 [máo gǔ sǒng rán]身の毛がよだつ。ぞっとする。おぞましい。「悚」は恐れること。shuとかsuとか読みたくなるが、普通話の読音は「sǒng」なので注意。類義語 不寒而栗 胆战心惊用例 那部电影真使人感到毛骨悚然。 あの映画は本当にぞっとさせられる…

家丑不可外扬

家丑不可外扬 [jiā chǒu bù kě wài yáng]家の醜聞を外に晒してはいけない。身内の恥を晒すな。「丑」は繁体字では「醜」で見てくれの悪いこと、醜聞。「揚」は広く示す、言いふらすこと。家庭内の悪い話は外で言いふらすなという成語で、今でも日常的に引用…

家长里短

家长里短 [jiā cháng lǐ duǎn]家族や隣近所に関する些事、日常についての四方山話。分解すると、「家」や「里」(隣近所)と「長短」(良いことや悪いこと)が組み合わされてできている成語。家族や隣近所の細々とした出来事や、それについてあれこれ話すよ…

一应俱全

一应俱全 [yī yīng jù quán]あるべきものが何でも揃っている。足りないものはない。完備されている。「一应」は一切、すべてという意味。「俱」はともに、皆。すべて完備されているということ。用例 这家店铺里各种百货一应俱全。 この店には各種雑貨が何で…

首当其冲

首当其冲 [shǒu dāng qí chōng](攻撃や災害などの)被害を最初に受ける。真っ先に犠牲になる。矢面に立つ。「首」は最初ということ、「冲」は繁体字では「衝」で、日本語でも「要衝」と言うように、大きな通り道という意味がある。したがって「首当其冲」は…

狼吞虎咽

狼吞虎咽 [láng tūn hǔ yàn]狼や虎のように飲み食いする。猛然と物を食べる様子。がつがつ。これは文字を見れば意味の想像できる成語。「呑」も「咽」も飲み込むこと。 「咽」は多音字で、ここでは「」。日本語でも咽頭、咽喉などと言うように名詞として「の…

大快朵颐

大快朵颐 [dà kuài duǒ yí]顎を大きく動かして物を食べる様子。大いに飲み食いする様子。「朵颐」は『易』の「颐」の卦に「观我朵颐」とあるという古い言葉で、頬や顎を動かすことという。頬や顎を動かして大いに飲み食いする様子をいう成語。類義語 大吃大…

磨磨唧唧

磨磨唧唧 [mó mó jī jī]ぐだぐだ。ぐずぐず。うだうだ。動作や行動が遅くてきぱきとしていない様子。また、話などがくどくどと続く様子。 口語的な表現で、「磨磨叽叽」とも書く。 こういう擬態語は言語によって全く違う音が当てられるので、知らないと文字…

大手大脚

大手大脚 [dà shǒu dà jiǎo]太っ腹だ。(金づかいが)荒い。節約しない。文字通りには「大きな手や足で」、つまり大づかみに、太っ腹に、豪快に、といったイメージの成語だが、実際にはほぼ「花钱」(金を使う)と組み合わされて「(金づかいが)荒い」とい…

刨根问底

刨根问底 [páo gēn wèn dǐ]詳しく調べる。根掘り葉掘り訊ねる。徹底的に追究する。「刨」は掘るということ。日本語でも「根掘り葉掘り」というように、対象をとことん追究して知ろうとする様子。用例を見る限り中立的な語で、文脈によって良い意味にも悪い意…

死皮赖脸

死皮赖脸 [sǐ pí lài liǎn]厚かましい。図々しい。押しつけがましい。しつこい。厚顔無恥。日本語でも「面の皮が厚い」と言うように、厚かましい、恥ずかしげもない、という意味の成語。ただし用例を見ていると、相手が拒否しているのに厚かましく続ける、と…

麻木不仁

麻木不仁 [má mù bù rén]感覚が鈍く、麻痺している。関心や共感を示さない。鈍い。冷たい。「麻木」は痺れて感覚がなくなっている様子。「不仁」もここでは麻痺している、反応しなくなっているということ(同じ「不仁」で「仁徳をもたない」という意味になる…

插翅难飞

插翅难飞 [chā chì nán fēi]逃げ道がない。追い詰められている。絶体絶命。袋のねずみ。文字通りには、「翼を広げるが飛び立ち難い」ということ。「插翅」は「插上翅膀」……と説明されても日本語の感覚だと戸惑うのだが、漢語では「插」が「翅膀」を目的語に…

时过境迁

时过境迁 [shí guò jìng qiān]時が過ぎ境遇が変わる。時代が移り変わる。「時」が「過」ぎ、「境」が「遷」(うつ)るというSVSV型の成語。文字を見れば意味は推測しやすいものの、成語と知らずに耳で聞くとおそらくわからない。使用頻度は高そうなので覚え…

拳脚相向

拳脚相向 [quán jiǎo xiāng xiàng]殴る蹴るの暴行に及ぶ。暴力をふるう。「拳」や「脚」を向けるということで、殴ったり蹴ったりする、暴力をふるうということ。「相向」とあるので文字からは相互にふるっているように見えるが、こういう時の「相」は必ずし…

从轻发落

从轻发落 [cóng qīng fā luò]罪を軽くする。寛大な処置をする。情状酌量。「从宽发落」とも言う。「发落」は処理、処置の古風な言い方。用例 求造化从轻发落。 天よお情けを。 ↑ 「造化」は自然の運行、人間の意思を超えた運命(を支配する者)といった意味…

转弯抹角

转弯抹角 [zhuǎn wān mò jiǎo]曲がりくねり入りくんだ道を行くこと。また、話し方などが迂遠で直接的でないこと。回りくどい、持って回った。 拐弯抹角(guǎi wān mò jiǎo)ともいう。用例 从七楼走下来,还要转弯抹角走那么远的路,这是一个“划不来”的事。 …

脑满肠肥

脑满肠肥 [nǎo mǎn cháng féi]飽食している様子。肥っている様子。「脳」は頭部、「腸」は腹部で、全身が肉付きよく肥えていること。また、よく肥えられるくらいに飽食していること。出典 『北斉書』巻十二「琅邪王儼伝」に、琅邪王年少,腸肥腦滿,輕為舉措…