「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

牛肉凉面

近所の马家拉面にて、牛肉凉面(14元)。

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硬めに茹でた麺を辣油の混じった出汁にからめて、キュウリとトマトと、全く味のない牛肉数切れが載せてある。写真の皿の奥に茶色っぽくちょこっと写っているのが牛肉。
これだけだと詐欺みたいなのだが、問題は隣のスープで、これがもうびっくりするくらい濃厚な牛肉の出汁なのだ。具はなく透明なスープで香菜と葱を散らしてあるだけだが、本当に味の濃さに驚く。他の汁麺を頼んだ時の出汁もこの味。麺に載っている肉は、こうやって出汁を取り尽くされた後の残骸なのかもしれない。食感はこちらで、味はスープで、合わせて「牛肉」かと考えると納得がいく。

この马家拉面というのはチェーン店で、他の所でも同じ看板を時々見かける。牛肉拉面などを中心にいろいろ麺類を出す街の食堂といった感じだが、特徴としてイスラム系の店だということがある。だから牛肉は使っても豚肉は使わない。メニューの隅に、「宗教文化を尊重して持ち込みはご遠慮ください」というようなことが小さく書いてあったりもする。
チェーン店ではあっても、この近所の店をやっているのは見るからに一家という感じの人たち。家族経営でフランチャイズ加盟しているのだろう。厨房からは、漢語でも朝鮮語でもなさそうな言葉で話しているのが聞こえたりする。でも客の方はごく普通の近所の人たちで、特にそういう民族性の違いを意識したり、それゆえの珍しいものを食べに来ているという感じはない。実際、メニューは10元の拉面や刀削面に始まり、言わば立ち食いそば屋のような定番のもの。夜中に行ったことはないけれど、看板を見ると24時間営業らしい。このへんで働く人たちが昼休みや仕事帰りに腹ごしらえする場所として街に溶け込んでいるように見える。

私も前から時々来て、寒い日に10元の青菜刀削面(例の出汁のスープに手打ちの刀削面が沈み、榨菜の刻んだのが少しと香菜と葱と、青梗菜が一切れ浮いている)を食べて温まったりしていたが、今日は壁に貼ってあったおすすめを見て凉面を頼んでみた。期待に違わずおいしかった。