「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

ひとまずよかった

周庭さんの逮捕は日本でもかなり話題になっていたが、ともかくすぐに保釈されたのはよかった。
逮捕自体が無理があったが、日本ではこういう逮捕はほぼ確実に長期拘束になるはずで、その点においては保釈がきちんと適用される香港がましにも見える。
民衆の一人として国家権力を監視するという観点からは、国と国を比べてどちらがいいと言うのではなく、どの国の権力も「都合が悪い」と見なした人には暴力を発揮する、その暴力に対して国籍や立場の違いを超えて関心と批判を向ける、という見方を私は心がけたい。

さて、保釈直後の周庭さんのfacebookアカウントに投稿された声明をちょっと読んでみることにする。日本語部分もあるが、漢字部分の方が詳しい。
周庭さんは広東語話者で、中央政府が香港に押し付ける普通話教育に強く反発していると聞いているので、これはまさに「中国語」と呼ぶべきではないケースだろう。しかし漢字の共通性はありがたいもので、広東語の発音は全くわからない私でも、文字で書かれていれば普通話の知識で読むことができる。(広東語には特有の文字や単語もあり、それらを駆使されると読めないこともあるが、それでもある程度は意味が取れることが多い。)

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(訳)
周庭は国安法違反の嫌疑で逮捕されたことについて、突然の出来事だと感じ、逮捕の理由もわからないとしています。警察側の理由は彼女が7月から今までの間にソーシャルメディアを利用して外国勢力と結託したということですが、これは実体のない話で、時間、事件、内容のどれも明らかにされていません。

彼女は政府が言論を罪としただけでなく、無実の罪を捏造したと指摘しています。逮捕の根拠の追及に関しては法曹団と相談する予定です。起訴されるかどうかは今のところわかりません。

社会運動に参加してから彼女は4回逮捕されましたが、今回が「一番怖かった」とのことです。民主を闘い取るのは容易な道ではありません。24時間を超える勾留の間、彼女は弁護士を通して香港および海外の友人の支持を知り、警察署の寒々とした一角でなお世界各地からの支持と応援を受け取っていました。民主を闘い取る道は厳しい、でも共に歩む人がいる、と彼女は述べています。