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應詔賦得除夜

今日は陰暦の除夜。中国では今でも陰暦を使うので、今日が大晦日、明日が元日となります。そこで除夜の詩を一つ。

(原文)
應詔賦得除夜

今歲今宵盡、明年明日催。
寒隨一夜去、春逐五更來。
氣色空中改、容顏暗裏回。
風光人不覺、已著後園梅。

(拼音)
yìng zhào fù dé chú yè

jīn suì jīn xiāo jìn,míng nián míng rì cuī。
hán suí yī yè qù,chūn zhú wǔ gēng lái。
qì sè kōng zhōng gǎi,róng yán àn lǐ huí。
fēng guāng rén bù jué,yǐ zhuó hòu yuán méi。

(注)
應詔  詔(みことのり)に応じて、皇帝の命令に応じて。
賦  賦す。詩歌を作る。
五更  古代の時間の区切りで、一夜を五つに分けたうちの最後の部分。季節によって変わったりしたようだが、現在の午前三時から午前六時頃の間の二時間程度を指すと言われる。
氣色空中改  「氣色」は「気」の色、様子。ここではおそらく、空中に満ちる旧年の冬の気が新年の春の気に改まるということ。
容顏暗裏回  「容顏」は顔、顔つき、表情。「暗裏」はひそかに、こっそりと。「回」はめぐる、新たになる、変わる。
風光  風景。目に映る様子。
著  「着」に同じ。花をつける。この意味の時は「zhuó」と読む。

(訳)
皇帝の詔に応じて除夜の詩を作る

今年はこの宵で尽き、明年が明日から始まる。
寒さはこの一夜とともに去り、春が夜更けとともに来る。
空中に満ちる気はいつしか改まり、人の顔つきもひそかに変わっていく。
人はまだ風景の変化に気づかないが、すでに裏庭の梅が花をつけている。

この詩、作者が史青という説、王諲(おういん)という説があるとのこと。
史青については、唐の玄宗の開元年間に、「曹植は七歩で詩を作ったといいますが、私は五歩で作れます」と自ら上書し、それではということで玄宗が「除夕」の題を出すとたちまち即興で作ってみせたのがこの詩だったと伝えられている。しかし史青はこの詩のみで名が残っている人物のようで、真偽のほどはわからない。

(参考)
https://fanti.dugushici.com/ancient_proses/5087

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