「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

底气

底气 [dǐ qì]

自信。元気。勇気。

辞書によると、

1.说、唱时由胸腔腹腔共鸣产生的力气。
2.基本的信心和力量。如:以我的能力和水平来干这件事,感到有点底气不足。

ということで、1.話したり歌ったりする時に腹から声が響いて生まれる力、2.基本的な自信や力、となっている。
生活でよく見かけるのは2の意味だろう。この「底」という語に具体的な「底(そこ)」というだけではないこのような意味があるということを意識しておいた方がいい。「有底」「没底」といった言い方で自信の有無を表すこともできる。これはまた別項目で書きたい。

用例
有钱才有底气。 ​​​
金があってこそ自信も持てる。

哥哥年轻力壮,无论干什么活都底气十足。
兄は若く健康で、何をして働くにも元気満々だ。

你在的话会比较有底气一点。
あなたがいればもう少し自信が持てるだろう。

丰收不仅关系着中国人的口粮、饭碗,而且为国家应对风险挑战提供了信心和底气。
豊作は中国人の日々口にする食料に関係するだけでなく、国家が危険に対して挑戦するための自信と勇気を与えてくれる。

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智商、情商

「智商」はIQ、「情商」はEQのこと。それぞれ「智力商数」「情绪商数」の略というが、ほとんどこの略語の形で使われている。そしてネット記事などで非常によく見かける。

智商 [zhì shāng]
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情商 [qíng shāng]
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個人的にはこういう科学的にも倫理的にも微妙な概念を気軽に使って物事を語る風潮は好きではないのだが、とにかくこういう言葉として定着している、ということで。日本語の訳語とも違うので、これも知らずに出会うと戸惑う言葉の一つ。

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晴雨表

晴雨表 [qíng yǔ biǎo]

バロメーター。

百度の辞書によれば、

预测天气晴或雨的气压表,比喻能敏锐地反映某种变化的事物:股市是经济发展的~。
天気が晴れか雨か予測する気圧計、比喩として何らかの変化を鋭敏に反映できる事物。株式市場は経済発展の〜。

英語のbarometerだが、日本語では現在「バロメーター」の訳語が定着していて、一方中国では「晴雨表」が使われているようだ。日本語にも「晴雨計」という言い方があり字を見れば意味はわかるが、比喩としての意味ではほぼ「バロメーター」一択なので、意識して覚えておく必要がある。

用例
“十一”黄金周假期支出是中国经济健康状况晴雨表。
「十一」黄金週間の支出は中国経済の健康状態のバロメーターだ。

脸蛋是人体健康的晴雨表。
頬は人体の健康のバロメーターだ。

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心脏骤停

心脏骤停 [xīn zàng zhòu tíng]

心臓発作、突然の心停止。

ラジオを聞いていたらAEDの話をしていて、この言葉が出てきた。意味はわかっても、「zhòu」と聞いてこの文字が思い浮かぶかというと……。現在の日本語でこの「驟」の字を見かける機会といえばほぼ「驟雨」(しゅうう)くらいしか思いつかない。でもこれが「にわか雨」という意味だと知っていれば、「骤」は「突然、急に」、「骤停」で「急に止まる」ということだとわかる。
ちなみに、日本語の「心肺蘇生」は「心肺复苏 xīn fèi fù sū」と言っている。(こういう専門用語がちょっとずつ違うのはどうにかならなかったのかといつも思う。今後新しく作る時は漢字圏で声かけあって統一してくれたらいいのに。)AEDは中国語でもそのまま「AED」と言うようだ。

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将心比心

将心比心 [jiāng xīn bǐ xīn]

相手の身になって考える。相手の思いに寄り添う。

「将」は「〜をもって」、「比」は対比する、並べる。自分の心をもって他人の心に近づけ並べる、というのが直訳的な意味。

出典
朱熹朱子語類』大学三の「俗語所谓將心比心,如此則各得其平矣」(俗に言う將心比心というようにすれば、それぞれが平静を得られる)より。
「俗語所谓」とあることから、これが書かれた時にはすでに「俗語」として流布していたことがわかる。朱熹がこの語を創出したという意味での出典ではない。

用例
将心比心,尽量不要对于他人太苛刻。
相手の心に寄り添い、なるべく他人には厳しくなりすぎないことだ。

如果人们都能将心比心,就可以减少很多不必要的争执。
人々がみな相手の身になって考えられれば、多くの不要な争いがなくせるだろう。

关系再亲密也要学会将心比心,“任性”是消耗感情的利器。
関係がいくら親密になっても相手への思いやりができなければならない。「自分の思うがまま」は愛情を削る凶器だ。

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换位思考

换位思考 [huàn wèi sī kǎo]

相手と立場を取り換えて考えてみる。相手の身になって考える。

「相手の身になって考える」といった言い方は日本語でもよくされるが、これがこの四文字にまとめられているのは便利だなと感じる。個人的には日本語にも輸入したくなる熟語の一つ。

用例
创造一个良好的人际关系靠的是换位思考,将心比心!
良い人間関係を築く鍵になるのは、相手の立場になって考え、相手の心に寄り添うことだ。

很多夫妻之所以经常吵架或冷战,往往是因为他们没有真正做到换位思考。
多くの夫婦がいつも喧嘩をしたり冷戦状態になったりするのは、しばしば本当に相手の身になって考えることができていないからだ。

人是无法做到换位思考的,因为思想、经历、感官、全都不一样,就像我说大海很漂亮,你却说淹死过很多人。
人は相手の身になって考えたりできるものではない。思想、経験、感覚、どれも全く違うのだから。わたしが海がきれいだねと言うと、あなたがたくさん人が溺れ死んだねと言うように。

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只许州官放火,不许百姓点灯

只许州官放火,不许百姓点灯 [zhǐ xǔ zhōu guān fàng huǒ,bù xǔ bǎi xìng diǎn dēng]

州の役人には放火を許し、庶民には灯を点すことも許さない。
もとは北宋の田登の故事に基づき、権力者が恣意的な取り締まりを行うこと。また一般に、筋の通らない自分勝手な言動をすること。

出典
南宋の陸遊『老學庵筆記』巻五にある常州の太守田登の故事より。原文は下記。

田登作郡,自諱其名,觸者必怒,吏卒多被榜笞。於是舉州皆謂燈為火。上元放燈許人入州治遊觀,吏人遂書榜揭於市曰:本州依例放火三日。
田登は長官になると、自分の名前を避諱(ひき)させ、違反する者がいると必ず怒り、多くの役人が鞭打たれ処罰された。そのため州では誰もが「燈」を「火」と言うようになった。上元の灯籠祭りで州の役所を開放し人々の参観を許可する時、役人はついにこう書いた札を市に掲げた。「本州は例年通り三日間放火する。」


作郡 ある地方の長官になること。この時田登が就任したのは常州の太守。
自諱其名 自分でその名前を避諱の対象とした。避諱については日本語版wikipediaなどにも詳細な説明があるのでそちらを参照。簡単に言えば、目上の者の本名を直接言ったり書いたりするのは失礼だとして使用を避ける習慣。皇帝などの場合は文書の文字をすべて似た意味の違う文字で置き換えたり、この例のように音が同じ文字まで避けられたりすることもあった。
皆謂燈為火 「燈」が田登の名前「登」と同音なので、避諱によって「火」と言い換えたということ。
上元 元宵節のこと。正月十五日の祭り。華やかな灯籠を掲げて鑑賞する風習がある。
州治 州の役所。

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元宵節に灯籠を掲げる習慣は今でもあり、各地でさまざまな「灯会」が行われている。

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双重标准

双重标准 [shuāng chóng biāo zhǔn]

ダブルスタンダード二重基準
double standardの訳語で意味は英語や日本語と同じ。
「双标」と短縮形でも使われる。

用例
生活中我们常常以双重标准自居。比如别人走后门就鄙视,自己走后门就很得意。
生活の中で、私たちはしばしば自分にダブルスタンダードを許している。例えば他人が不正をすれば軽蔑するのに、自分が不正をすれば得意になる。

不知道从什么时候开始,双标越来越被人诟病。只许州官放火,不许百姓点灯;这个现象已经从社会逐渐发散至家庭和个人。
いつからかわからないが、ダブルスタンダードはますます人々に非難されるようになってきた。「州官は放火してもいいが、平民は灯りを点すこともできない」というような現象が社会から家庭、個人にまで拡散している。

「只许州官放火,不许百姓点灯」はよく知られる成語の一つで、もとは宋代の田登の故事に基づき、為政者が民衆に恣意的な取り締まりを行うことをいう。また字面の意味から、ここで使われているようにダブルスタンダードという意味にもなっている。

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下摆

下摆 [xià bǎi]

裾。衣服などの下の端の部分。

「裾」では通じないので注意。「裾 jū」という文字は現在の中国語では伝統衣装に関する用語などでしか使われていないようだ。
「下摆」で一般的に「すそ」の意味になる他、「衣摆」で衣服の裾、「裙摆」でスカートの裾、「裤摆」でズボンの裾、というような言い方もできる。

用例
她捡起掉落的苹果,用衣服下摆兜着。
彼女は落ちたりんごを拾って服の裾に入れた。

拍摄的时候对于衬衫下摆要塞进裤子里还是放在外面,犹豫了很久。
写真を撮る時シャツの裾をズボンに入れるか外に出すか、しばらく迷った。

他偷偷地拿掉了粘在我衣摆上的口香糖。
彼はこっそりと私の服の裾についていたガムをむしり取った。

她转身时裙摆也跟着旋转飘起。
彼女が振り返るとスカートの裾もそれにつれてひるがえった。

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叼 [diāo]

くわえる。

口の右側の「刁」の部分、何かくわえているような形に見えないだろうか。これで覚えておくと意味を忘れにくいと思う。
日本語ではまず見かけない字なので新しく覚える必要がある。「くわえる」という意味では他に「衔 xián」という文字もある。こちらも日本語では見かけず、現代の日本語で「くわえる」に当てられる漢字とも違う。
また微博などで「叼」を検索してみると、「屌」や「吊」のかわりに使われているらしい例が目につく。「屌」はもともと男性器、または性交を意味する語で卑猥な表現とされている。そのためさまざまな別の文字に書き換えられる習慣があり、「吊」もその一つ。音はどれもdiaoで共通する。もし「叼」の用例で見慣れないものがあったら、もとは「屌」だった可能性を考えるといいと思う。

用例
他进来时叼着一支烟。
彼は入って来た時一本の煙草をくわえていた。

小狗听话地叼来拖鞋,并摇了摇尾巴。
小犬は従順にスリッパをくわえてきて、さらに尻尾を振った。

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