「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

信口雌黄

信口雌黄 [ xìn kǒu cí huáng ]

口から出まかせを言う。一貫性のない発言をする。

出典は孫盛『晋陽秋』の「王衍,字夷甫,能言,於意有不安者,輒更易之,時号口中雌黄」(王衍、字は夷甫。弁論に長け、主張が危うくなるとすぐ言うことを変えるので、当時「口の中に雌黄がある」と言われた)。元の形は「口中雌黄」。「雌黄」は鶏冠石を粉にした黄色の顔料で、昔、書き間違いを塗り消して訂正するのに使ったという。要するに修正液。
王衍(256年-311年)は西晋の名士の一人。才気と弁舌を評価されて要職についたが、政治家としては無為無能、節操なく保身を図るばかりで晋の弱体化を招いたというのが後世の評価である。最期は石勒の侵攻に遭い、捕えられて殺された。「口中雌黄」もそういう人物の特徴をよく表した言葉。