「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

典故

周而复始

周而复始 [zhōu ér fù shǐ]一回りしてまた始まる。ぐるぐると循環する。「周」は巡る、回る。「复」はまた、再び。一巡りしてもう一度始まるということ。出典 『漢書』礼楽志の「陰陽五行、周而復始」(陰陽五行は、一回りしてまた始まる)より。用例 一年是…

鱼和熊掌不可兼得

鱼和熊掌不可兼得 [yú hé xióng zhǎng bù kě jiān dé]魚と熊掌を共に得ることはできない。あれもこれも同時に手に入れることはできない。あっちを立てればこっちが立たない。「鱼与熊掌」とされていることも多い。「与」は「和」よりやや文語的になるが意味…

扬汤止沸

扬汤止沸 [yáng tāng zhǐ fèi]焼け石に水。その場しのぎ。表面的な対処で効果が薄いこと。沸き立つ湯をすくい上げることで冷まそうとする、原因をそのままにして表面的に解決しようとしても効果が薄いということ。対義語 釜底抽薪 [fǔ dǐ chōu xīn] ↑ 釜の底…

礼尚往来

礼尚往来 [lǐ shàng wǎng lái]礼は往来を尊ぶ。礼儀は相互にやりとりしなければならない。もらったらお返しするのが礼儀だ。「尚」は漢文訓読では「とうとぶ」と読む動詞で、尊重する、重視するということ。 「礼」は「往来」、相互の行き来、やりとりを重視…

冰冻三尺,非一日之寒

冰冻三尺,非一日之寒 [bīng dòng sān chǐ,fēi yī rì zhī hán]三尺の氷は一日の寒さではできない。物事には長い経過がある。昨日や今日の話ではない。ローマは一日にして成らず。三尺もの厚い氷は一日の寒さではできない、物事にはそこに至るまでの積み重ね…

不寒而栗

不寒而栗 [bù hán ér lì]ぞっとする。(恐怖で)寒気がする。震え上がる。怖気立つ。恐怖のあまり寒くないのに震えるということ。この「栗」は「慄」に通じ、戦慄、慄然などの熟語があるように、震える、おののくという意味。繁体字圏では「不寒而慄」と表記…

脑满肠肥

脑满肠肥 [nǎo mǎn cháng féi]飽食している様子。肥っている様子。「脳」は頭部、「腸」は腹部で、全身が肉付きよく肥えていること。また、よく肥えられるくらいに飽食していること。出典 『北斉書』巻十二「琅邪王儼伝」に、琅邪王年少,腸肥腦滿,輕為舉措…

数典忘祖

数典忘祖 [shǔ diǎn wàng zǔ]根本を忘れる。自分の祖先や由来を忘れる。本来は「多くの典籍を調べていながら肝心の先祖のことを忘れている」というような意味だが、現在は単に「根本を忘れる」というような意味で使われることが多い。出典 『春秋左氏伝』昭…

祸不单行

祸不单行 [huò bù dān xíng]災難が続く。悪いことが重なる。「禍」は災い。「単」は一つだけ、単独でということで、災いが一つだけ起こるのではない、つまり複数続くということ。出典 漢の劉向『説苑』権謀篇にある、「此所謂福不重来、禍必重来者也」(これ…

老气横秋

老气横秋 [lǎo qì héng qiū]老練な様子。また老練であること鼻にかけているような様子。古参ぶって偉そうにする様子。また、年寄り臭く覇気がない様子。百度の辞書に「形容老练而自负的神态。现形容自高自大,摆老资格。也形容缺乏朝气」と説明されている。…

东山再起

东山再起 [dōng shān zài qǐ]再起する。失敗の後やり直して成功する。巻き返す。出典 東晋の謝安が若い頃は官職を嫌って東山に隠棲していたが、四十歳を過ぎて仕官し、その後大いに治績を上げたという故事から。劉義慶『世說新語』排調篇に以下の記述がある…

一蹶不振

一蹶不振 [yī jué bù zhèn]一度の躓きで気力を失うこと。失敗に懲りてやる気をなくしてしまうこと。出典 漢の劉向『説苑』談叢篇の下記の部分より。一噎之故,絕穀不食;一蹶之故,卻足不行。 https://ctext.org/shuo-yuan/tan-cong/zh#n21994一度のどに詰ま…

胸有成竹

胸有成竹 [xiōng yǒu chéng zhú](竹の絵を描く時に前もって竹全体のイメージを思い浮かべているように)心の中に明確なイメージや計画があること。その結果、一気呵成に、迷いなく実行できること。出典 北宋の文人蘇軾(1037-1101)の文『文與可畫篔簹谷偃…

揠苗助长

揠苗助长 [yà miáo zhù zhǎng](苗を引っ張って伸ばそうとして、結局枯らしてしまうように)性急に効果を求めて逆に害をなすこと。功を焦って台無しにすること。 「拔苗助长」ともいう。 この「长」は「長い」ではなく「育つ」という意味なので、chángではな…

旗鼓相当

旗鼓相当 [qí gǔ xiāng dāng]戦力が同程度であること。力の差が小さく、いい勝負になること。出典 『後漢書』隗囂公孫述列伝に、如令子陽到漢中、三輔,願因將軍兵馬,鼓旗相當 もし子陽が漢中、三輔にやってくるようなことがあれば、どうか将軍の兵馬によっ…

城门失火,殃及池鱼

城门失火,殃及池鱼 [chéng mén shī huǒ,yāng jí chí yú]城郭の門が火事になってその災いが池の魚にまで及ぶ。関係の遠い者にまで累が及ぶこと。巻き添えにされる。とばっちりを食う。「殃及池鱼」だけでも同じ意味で使われる。出典 漢の応劭による『風俗通…

爱屋及乌

爱屋及乌 [ài wū jí wū](住人への愛が屋根の上の烏にまで及ぶように)何かを好きになるとその周辺のものまで好きになるということ。日本語には「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という諺があるが、その逆で好感が周囲にまで及ぶこと。日本語の方にはこれに当た…

走马观花

走马观花 [zǒu mǎ guān huā](馬に乗って走りながら花を見るように)物事をざっと見ること。表面的にのみ理解すること。出典となっている詩「登科後」では馬に乗って心楽しく花を眺めるという意味だったが、現在の用法では「ざっと見る」というような意味に…

溜须拍马

溜须拍马 [liū xū pāi mǎ]媚びへつらうこと。おべっかを使って取り入ること。ごまをすること。「溜须」と「拍马」の二つの行為を並列している成語。「拍马」は「拍马屁」のことで、以前記事にした。 https://anatadehanai.hatenablog.com/entry/2020/07/26/2…

物以稀为贵

物以稀为贵 [wù yǐ xī wéi guì]物は稀であるから貴い。珍しいから貴重だ。希少価値がある。出典 唐の白居易の詩『小歲日喜談氏外孫女滿月』にある「物以稀為貴、情因老更慈」(物は珍しいがために貴く、慈愛の情は老いによってさらに深い)より。 この詩は白…

拾人牙慧

拾人牙慧 [shí rén yá huì]他人の受け売り、口真似、剽窃。出典 『世説新語』文学篇の「殷中軍云、康伯未得我牙後慧」(殷中軍が言った。康伯はまだ私の口先にある知恵も身につけていない)より。『世説新語』は南朝宋の劉義慶が人物の言行、逸話などをまと…

鹦鹉学舌

鹦鹉学舌 [yīng wǔ xué shé]オウムが人の言葉を真似るように、他人の言葉をそのまま真似ること。口真似をする。他人の意見に付和雷同する。出典 宋の釈道原『景徳伝燈録』巻二十八の下記の記述より。如鸚鵡只學人言、不得人意。經傳佛意、不得佛意而但誦、是…

图穷匕见

图穷匕见 [tú qióng bǐ xiàn]隠されていた意図や計略や真相が最後に現れてくること。正体が現れる。「匕」は匕首(あいくち)、短刀。「见」は「xiàn」と読み、「现」と同じ意味で「現れる」。出典 『戦国策』燕策三の「軻既取圖奉之、發圖、圖窮而匕首見」…

尔虞我诈

尔虞我诈 [ěr yú wǒ zhà]互いに騙しあう。「尔(爾)」は訓読すれば「なんじ」で、あなた、おまえ。「虞」「诈」はどちらも騙す、欺くという意味。直訳すれば、「あなたが騙しわたしが欺く」、互いに相手を騙し陥れようとすること。出典 『春秋左氏伝』宣公…

络绎不绝

络绎不绝 [luò yì bù jué]人や車馬などが連綿と絶えないこと。「络绎」は連綿と続く様子。日本語でも「絡繹(らくえき)」という音読みで熟語として使われる。出典 『後漢書』南匈奴伝の「逢侯部眾飢窮、又為鮮卑所擊、無所歸、竄逃入塞者駱驛不絕」(逢侯の…

车水马龙

车水马龙 [chē shuǐ mǎ lóng]車や人の行き来が盛んで非常に賑わっている様子。車が流れる水のよう、馬が泳ぐ龍のよう、ということで、絶え間なく車や人が流れている様子を指す。出典 『後漢書』馬后紀の次の記述より。前過濯龍門上,見外家問起居者,車如流…

讳莫如深

讳莫如深 [huì mò rú shēn]強く避けられ隠されている。タブーとして扱われている。言及がはばかられている。出典 『春秋穀梁伝』莊公三十二年の記述より。『春秋穀梁伝』は孔子の手になると伝えられ、儒家の経典である歴史書『春秋』に対する注釈書の一つ。…

揭竿而起

揭竿而起 [jiē gān ér qǐ]竹竿に旗を掲げて決起する。決起して反乱を起こすこと。出典 賈誼の『過秦論』にある「斬木爲兵,揭竿爲旗」(木を切って武器とし、竿を掲げて旗とした)より。紀元前209年、秦の滅亡を招いた陳勝・呉広の乱についての記述。 『史記…

因地制宜

因地制宜 [yīn dì zhì yí]土地柄にあわせる。その土地の事情にあわせる。地方の特徴を考慮する。出典 漢の趙曄による『呉越春秋』闔閭內伝に「夫築城郭、立倉庫、因地制宜」(城郭を築いたり倉庫を建てたりするのは、適宜その土地にあわせるもの)とある部分…

桃李满天下

桃李满天下 [táo lǐ mǎn tiān xià]教えた学生や育成した弟子、後輩が数多く、各地で活躍していること。出典 『資治通鑑』唐紀・武后久視元年の「或謂仁傑曰、天下桃李、悉在公門矣」(ある人が狄仁傑に言った。「天下の桃李はすべて公の門下にあります」)と…