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日々の学習、ときどき雑談

洪水来了好捞鱼

日本ではあまり報道されていないようですが、中国の南方地域ではここ一か月ほど大雨が続き、各地で洪水被害が出ています。死者はそれほど多くないものの、家屋被害は十万棟以上、被災者は千数百万人にのぼるとのこと。ニュースでも浸水した町や道路の写真が連日のように流れています。
……というのは確かに深刻な事態で被災地の皆さんの無事を祈りたいですが、それはそれとして、この写真。
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記事によると、これは江西省南昌市の光景で、川沿いの広場が水没したところ市民が大勢集まってきて魚を取っているのだとか。
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"野次馬で川辺に立ち寄っただけの人もいれば、前もって準備して網、バケツ、手網など魚取りの道具を携え、装備万全で来ている人もいる……"

「洪水来了好捞鱼」(洪水が来たら魚を取るのにいい)という農村の言い伝えが市街地でも適用されている、と筆者は伝えています。
ネットでは他の地域からも、冠水した道路で魚を追いかけ回したり、大物を捕まえて喜んだりする人々の写真や映像が上がっていて、こういう光景はあちこちで繰り広げられている様子。
新型コロナで話題になった武漢など、疫病が去ったと思ったら今度は水害か、大変だな……と思いつつ、魚取りで盛り上がる人々を見ると、その不屈の活力にちょっと安心します。今年の水害は確かにひどいようですが、南方の川や湖に近い地域では水害は毎年のように起きていて、それを狙って魚を取るというのも市民の(やけっぱちの?)楽しみの一つのようです。