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图穷匕见

图穷匕见 [tú qióng bǐ xiàn]

隠されていた意図や計略や真相が最後に現れてくること。正体が現れる。

「匕」は匕首(あいくち)、短刀。「见」は「xiàn」と読み、「现」と同じ意味で「現れる」。

出典
『戦国策』燕策三の「軻既取圖奉之、發圖、圖窮而匕首見」(荊軻は地図を取って捧げ持ち、開いていくと、地図が尽きたところで匕首が現れた)より。

この『戦国策』の他、『史記』刺客列伝にも同様の記述がある。

戦国時代、刺客の荊軻が燕の太子丹に派遣されて秦に赴き、秦王を暗殺しようとした有名な場面。ここでの「圖」とは燕の領土督亢(とくごう)の地図で、地図を献上するとは領土を割譲することを意味する。この領土と秦からの亡命者樊於期の首を手土産にして秦王を信頼させ、その隙を突いて暗殺を実行する計画だったが、秦王は間一髪で逃れ、荊軻は斬り殺されて壮絶な最期を遂げることになった。計画は失敗したが、これによって荊軻は現在に至るまで「壮士」の典型として語り伝えられている。

用例
这是图穷匕见,终于露出尾巴了。
これで正体が現れ、とうとう尻尾を出した。

对方的诡计图穷匕见,事情终于水落石出。
相手の詭計が正体を現し、ついに真相が明らかになった。

心怀不轨的人,终有一天会图穷匕见,露出他的真面目。
良からぬ考えを持っている人は、やがてその企みがばれ、正体が暴き出されるだろう。

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