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日々の学習、ときどき雑談

数典忘祖

数典忘祖 [shǔ diǎn wàng zǔ]

根本を忘れる。自分の祖先や由来を忘れる。

本来は「多くの典籍を調べていながら肝心の先祖のことを忘れている」というような意味だが、現在は単に「根本を忘れる」というような意味で使われることが多い。

出典
『春秋左氏伝』昭公十五年にある「王曰、籍父其無後乎、數典而忘其祖」(王は言った、籍父には子孫がいなくなるだろう、典籍を数え上げながらその祖先を忘れるとは)より。

これは、周の景王の后の葬儀に晋国の使者として参加した籍談が、景王から「なぜ他の国は毎年貢物を献上するのに晋国はしないのか」と問われ、「晋国はもともと他の諸侯のように王室の宝物を下賜されていなかった。だから晋国からも献上する必要はない」と答え、それに対して景王が嘆いて発言したもの。景王によれば、晋国の始祖唐叔は王室からさまざまな宝物を与えられており、籍談は歴史記録を司る官の子孫であり典籍に通じていながらそのような祖先の事跡を忘れている、ということになる。
一方、籍談が晋に戻って晋の大夫叔向にこの話をすると、叔向は逆に景王を批判し、葬儀が終わってすぐに宴会を開き、その場で客に貢物を求めるとは礼に反すると述べたという。

用例
凡是数典忘祖、背叛祖国、分裂国家的人,从来没有好下场,必将遭到人民的唾弃和历史的审判!
およそ祖先の事跡を忘れ、祖国に背き、国家を分裂させる者がろくな末路を迎えたためしはない。必ず人民に唾棄され歴史の審判を受けるだろう。

辛亥革命110周年式典での周近平談話の問題発言部分。

他总是数典忘祖,真是不肖子孙。
彼はいつも祖先をないがしろにする、まったく不肖の子孫だ。

无论我们身处何时何地,都不可数典忘祖。
われわれはいつどこにいようと、自己の来源を忘れてはならない。

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