道不拾遗
道不拾遗 [ dào bù shí yí ]
道に落ちているものを拾う人がいない、盗みなどが起こらず非常に治安がいい様子。「路不拾遗」ともいう。
出典
『韓非子』外儲説左上の「子産退而為政五年、国無盗賊、道不拾遺」(子産は引き下がって政治を行うこと五年、国には盗賊がいず、道の物を拾う者もいなくなった)。
子産(?—前522年)は春秋時代の鄭の著名な政治家。鄭の簡公、定公を補佐して善政を行ったとされ、多くの逸話が残されている。
「道不拾遗」を含む古典はこの他にも多い。
同じく『韓非子』に「仲尼為政於鲁、道不拾遺」(仲尼が魯で政治を行うと、道の物を拾う者はいなくなった)。
『戦国策』秦策一に「道不拾遺,民不妄取」(道の物を拾わず、人々は横領することがなくなった)。
『礼記』に基づく「夜不閉戸」(夜には戸締まりをしない)と並列され、「道不拾遺、夜不閉戸」という形でもよく使われる。