「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

アイス、かき氷、シェイク……炒氷?

冷たいものがおいしい季節。夏に人気の冷たくて甘いものたちは中国語で何というのか。

(日)アイス
(汉)雪糕[xuě gāo],冰棍[bīng gùn],冰淇淋[bīng qí lín],冰激凌[bīng jī líng]
日本語の「アイス」に対応するものを画像検索などしながら中国語で探すと、「雪糕」「冰棍」「冰淇淋」などいろいろ出てくる。「冰激凌」と「冰淇淋」は発音の揺れ。現在は「冰淇淋」で統一されつつあるらしい。「淇淋」とは何ぞやと思ったら、英語の「ice cream」の「cream」を音訳したとか。調べないとわからなかった。「ice」は「冰」と訳されていて、意訳と音訳の複合語ですね。
「雪糕」「冰棍」「冰淇淋」それぞれの細かい違いは正直よくわからない。「冰棍」は「棍」というので基本的に棒状のものだろうと。しかし「雪糕」や「冰淇淋」が棒状でないということもなく、棒アイスの商品名にも「雪糕」や「冰淇淋」は使われている。とりあえず日本語で「アイス」と言いたいような時には、このどちらかを使えばいいのでは。

参考に、「雪糕」「冰棍」「冰淇淋」それぞれの画像検索結果を。これは百度ではなくbingで検索しました(駄洒落ではなく)。

雪糕
f:id:anatadehanai:20200712021541j:plain

冰棍
f:id:anatadehanai:20200712021606j:plain

冰淇淋
f:id:anatadehanai:20200712021643j:plain


(日)かき氷
(汉)刨冰 [bào bīng]
これも知らないとわからない。「刨 bào」は鉋で削るという意味で、それを知っていれば、確かにかき氷は氷を「刨」するようにして作りますね。

(日)シェイク
(汉)冰沙 [bīng shā],沙冰 [shā bīng]
f:id:anatadehanai:20200712021712j:plain

さらに、スムージーは「思沐昔 sī mù xī」「沐昔 mù xī」、ミルク入りのものは「奶昔 nǎi xī」などといい、近年流行っているそうです。こういうのはどんどん新趣向が出てきてきりがないな。

ところで、これらを検索しているうちに不思議なものを見つけた。
f:id:anatadehanai:20200712021835j:plain

「炒冰」。氷を炒める?と一瞬混乱するが、「它的名字中的“炒”不是加热的概念,而是越炒越冷」(この名前の中の「炒」は加熱の概念ではなく、炒めれば炒めるほど冷たくなる)と書いてある。しかし、「炒めれば炒めるほど冷たくなる」とはどういうことか。
私は実物を見たことがないのだが、この百度百科の記述によれば、

制作炒冰的锅下面不是火,而是强力制冷机的蒸发器,蒸发器是铜管盘管绕缠在炒锅底上,能把锅中的热量带走。温度瞬间降到零下40摄氏度左右,水质的食物冷冻成冰状。制作炒冰的时候,把鲜奶与果汁倒在锅里,用木铲不停地翻动,慢慢的锅中的液体变得越来越粘稠,最后成了冰泥。盛在透明的碗中,五颜六色,艳丽多姿,简直就是件艺术品。

ということで、どうやら鍋の下に火の代わりに強力な冷却器を置いて、鍋にミルクや果汁などを流し込み、へらで炒めるようにかき混ぜてシャーベット状にする、ということらしい。屋台などで作ってその場で売るのだろう。
日本ではこういうのは見たことがないし、中国でもまだ一度もない。今は新型コロナ対策で外出もままならないけれど、また屋台が並ぶような所に行く機会があったら注意して見てみたい。

日本語で検索してみたら、こんな旅行記が。
https://w.atwiki.jp/tosiyatosiya/sp/pages/298.html
百度百科にも「海南的炒冰相对比较正宗」(海南島の炒氷が他に比べてより正統的だ)とあり、そのあたりではポピュラーなのかも。

にほんブログ村 外国語ブログ 中国語へ
にほんブログ村