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日々の学習、ときどき雑談

咄咄怪事

咄咄怪事 [duō duō guài shì]

全く奇妙だ。わけがわからない。不思議でならない。

「咄咄」は出典の『世説新語』などでは「おやおや」といった驚きを表す感嘆詞。

出典
劉義慶の『世説新語』黜免(ちゅつめん)の下記の故事より。「黜免」は官職を罷免されること。そのようなエピソードを集めたのが黜免篇。

殷中軍被廢,在信安,終日恒書空作字。揚州吏民尋義逐之。窃視,唯作“咄咄怪事”四字而已。
殷中軍(殷浩)が官職を辞めさせられ、信安にいた時、一日中空中に文字を書いていた。揚州の役人や百姓が意味を知りたいと思い、ひそかに窺って指の動きをたどったところ、ただ「咄咄怪事」(いやはや奇妙なことだ)という四字を書いているだけだった。

晋の殷浩は数多くの戦功を立てたが、北伐に敗れて官位を剥奪され、揚州の信安に左遷された。その時に空中に指で書いて不満を表していたのが「咄咄怪事」の四文字だったという。

用例
这真是闻所未闻的咄咄怪事。
これは全く聞いたこともない奇妙な出来事だ。

司法向不法让步,岂非咄咄怪事?
司法が不法に譲歩するとは、全く不可解なことではないか。

这间公司财务危机十分严重,不倒闭才是咄咄怪事。
この会社は財務危機がここまでひどいのに、つぶれていないのが全く不思議だ。

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