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日々の学習、ときどき雑談

家丑不可外扬

家丑不可外扬 [jiā chǒu bù kě wài yáng]

家の醜聞を外に晒してはいけない。身内の恥を晒すな。

「丑」は繁体字では「醜」で見てくれの悪いこと、醜聞。「揚」は広く示す、言いふらすこと。家庭内の悪い話は外で言いふらすなという成語で、今でも日常的に引用されている。
日本語にも似た言い回しはあり、世界各地に同様の考え方はありそうだが、中華圏に根強いある種の伝統観念を示す成語の一つ。

用例
俗话说:“家丑不可外扬”,确实,家家有本难念的经,清官难断家务事,家庭矛盾最好家庭内部解决。
俗に、「家の恥は外に晒すな」という。確かに、どの家にも厄介な問題はあり、立派な役人も家のことは裁けない、といわれる。家庭の問題は家庭の中で解決するのが一番だ。

「家家有本难念的经」(家ごとに読みにくい経文がある)、「清官难断家务事」(清廉な役人も家の揉め事は裁き難い)、どちらも俗によく使われる成語。

动不动就说家丑不可外扬的几大多数自己就是家丑。因为怕别人扬了以后轮到它自己。
何かにつけ家の恥を外に晒すなという大多数の者は自分こそが家の恥なのだ。他人に晒されたら自分に矛先が回ってくるのが怖いからだ。

教了30多年的书,结果把自己的34岁儿子培养成了“啃老族”,被儿子打了一个耳光后彻底清醒了。没办法上电视去诉苦,传统观念还是家丑不可外扬,于是他选择在网上倾诉自己的家丑。
30年余りも教師を務めたあげく、自分の34歳の息子を「親のすねかじり」に育ててしまい、息子に平手打ちをされてとうとう目が覚めた。テレビに出て苦境を訴えることはできない。伝統観念ではやはり身内の恥は晒してはいけないのだ。そこで彼はネット上で自分の家の恥を訴えることにした。

「啃老」は老人を「啃」(かじる)ということで、親など高齢者の収入や資産をあてにして暮らす若者などを指す最近の流行語。日本でも「パラサイト」などと話題にされていたが、中国にもそういう若者はいて社会問題的に語られたりする。(しかしこの種の現象はいつの時代にもある程度あったのではとも思う。)

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