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日々の学習、ときどき雑談

刮目相待

刮目相待 [ guā mù xiāng dài ]

目をこすって応対する。見直す、新しい目で見てみる。

出典
三国志呂蒙伝の注に引かれている『江表伝』の「士别三日、即更刮目相待」(士は別れて三日もすれば、目をこすって見直すべきものだ)より。
呂蒙は呉の孫権に仕えた武将で、出身が貧しく叩き上げで出世したため、学識は乏しかった。しかし孫権に勧められて学問を始め、熱心に励んでかなりの知識を身につけるようになった。久しぶりに会った魯粛がその進歩に驚き、「もう呉下の阿蒙(蒙ちゃん。「蒙」にはバカという意味もある)ではないな」と言ったのに対し、呂蒙が答えたのがこの「士别三日、即更刮目相待」である。
この逸話は「呉下の阿蒙」の出典としてもよく知られている。

昨日の記事で「刮」の意味を書いたが、この字は現在の日本語ではほぼこの「刮目」という語にしか使われないのではないだろうか。これが目を削る→目をこするというような意味だともあまり意識されていないかもしれない。(私は長らく、目を見張るというような意味だと誤解していた。)
「士别三日、即更刮目相待」は日本語では「男子三日会わざれば刮目して見よ」ということわざになっているようだが、これも最近ではあまり見ない。まあ「男子」云々というような性別規範強化系のことわざはそっと博物館入りしてくれた方がいいとも思う。

微博で「刮目相待」の用例を検索してみると、「士别三日当刮目相待」の形で使われているものが多い。これはやはり四字成語というより、この一続きで覚えておいた方がいいだろう。

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