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日々の学習、ときどき雑談

脑满肠肥

脑满肠肥 [nǎo mǎn cháng féi]

飽食している様子。肥っている様子。

「脳」は頭部、「腸」は腹部で、全身が肉付きよく肥えていること。また、よく肥えられるくらいに飽食していること。

出典
北斉書』巻十二「琅邪王儼伝」に、

琅邪王年少,腸肥腦滿,輕為舉措,長大自不復然,願寬其罪。
琅邪王は年若く、不自由なく放肆に育って、行動が軽率です。長じてはこういうこともなくなるでしょうから、罪を軽くしてやってください。

とある部分より。北斉の時、琅邪王高儼(558 - 571年)が兄の後主(高緯)の側近として権勢を振るっていた和士開らを殺すという反乱を起こした。その結果高儼は将軍斛律光に捕えられたが、高儼にも同情的だった斛律光によって上のように取りなされ、死刑を免れた。(しかし高緯にとって行動力のある弟は邪魔な存在でしかなく、高儼はそれから間もなく十四歳で暗殺されている。)

しかし現在使われている「脑满肠肥」という成語は特にこの故事とは関係なく、単に飽食して肥っている状態の形容となっている。

用例
瞧他那脑满肠肥的样子。
やつのあのでっぷりした様子を見ろ。

光想着吃,居然忘了拍。吃的是脑满肠肥,明天开始减肥。
食べるのに夢中で、写真撮るの忘れてた。腹ぱんぱんになるまで食べて、ダイエットは明日からだ。

你整天足不出户,养得脑满肠肥,哪知道这些下苦人想的是什么。
おまえは一日中外にも出ず、ぬくぬく肥え太って、こういう苦労人たちが何を考えてるかなどわからないだろう。

有很多不负责任的官员们只知道吃喝玩乐,一副脑满肠肥的样子,把百姓的钱都花光了也没做出像样的事情来。
多くの無責任な役人たちは飲み食いして楽しむことしか知らず、丸々肥え太って、庶民の金を使い果たしてもまともなことは何一つできないのだ。

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