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日々の学習、ときどき雑談

装蒜

装蒜 [zhuāng suàn]

とぼける。知らないふりをする。とりつくろう。ごまかす。

文字からは意味を推測できない語の一つ。
なぜ「蒜(にんにく)を装う」なのかというのは諸説あって正確にはわからないようだが、これにまつわる次のような民間語源説があるという。

清の時代、乾隆帝が南方を視察して、にんにくの青々と伸びた葉を褒めた。また次の年も同じ地方を視察したが、冬だったのでまだにんにくの葉は出ていなかった。そこである役人が冬に葉を出す水仙を集めてきて植え、それを乾隆帝に見せて歓心を買った。水仙をにんにくに装ったので、ごまかすこと、とりつくろうことを「装蒜」というようになった……。

水仙不开花――装蒜」という歇後語(xiē hòu yǔ、けっこうご)もある。歇後語とは「後ろを言わずにやめる言葉」ということ。謎かけと答えのように前後セットになっていることわざで、その前半だけでも後半の意味を表せるものをいう。「水仙不开花――装蒜」を例にすれば、「装蒜」と言いたい時に「水仙不开花」(水仙に花が咲いていない)とだけ言って婉曲かつユーモラスにその意味を表したりできる。(もちろんひと続きの慣用句として最後まで言ってもかまわない。)中国語の伝統的な言葉遊びで多数の例があるが、これはまた別にまとめて紹介したい。

用例
此事一清二楚,你别再装蒜了。
このことはもうはっきりしてるんだ。とぼけるな。

会装蒜也是一种天分。
是啊....感觉会装蒜的人脑子转好快。
とぼけられるのも一種の才能だ。
そうだね……とぼけるのがうまい人は頭の回転が速いと思う。

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