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日々の学習、ときどき雑談

天真

天真 [tiān zhēn]

純粋だ。単純だ。無邪気だ。能天気だ。考えが甘い。世間知らずだ。ナイーブだ。

前記事で紹介した「没心眼」に近い意味の語として思い浮かぶのがこれ。
これも本来は純粋で素朴、という悪い意味ではないのだが、それが複雑化した現実生活の中では「考えが甘い」「単純でバカだ」「幼稚だ」といった評価を受けることになり、そういう否定的な意味で使われることも多くなっている。「太天真了」というような使われ方をしているのはそういう意味。おそらく英語の「naive」を訳すのにぴったりの語だろうと思うのだが、日本語で「ナイーブ」と言うとまた誤用の意味などが混ざってややこしいか。まあとにかく、そのあたりの語感で捉えればいい言葉。
上には挙げていないが、スラングを使っていい場合なら「お花畑」という訳語がはまりそうな用例もある。

しかし「天真烂漫 tiān zhēn làn màn」という成語は今でも純真な子どもなどを形容する語として、あまり悪い意味は含まないようである。こちらは日本語の「天真爛漫」ともほぼ同じ意味、用法と見てよさそう。

用例
那些认为天下太平,从此可以倒载干戈的人,实在太天真了。
天下が平和になって、もう戦争をしなくていいと思っている人たちはまったく能天気すぎる。

我太天真了,我天真的以为上大学之后就轻松了。
私は考えが甘すぎた。大学に入ったら後は楽だと思っていたほど甘かった。

「认为」は単に「思う」「考える」だが、「以为」は事実に反すること、実現しなかったことについて「思っていた」「つもりだった」という時に使う語。見かけは似ていても明確に違うので注意。

天真烂漫的儿童时代一晃就过去了。
天真爛漫な子ども時代はたちまち過ぎ去った。

即使在险恶的环境中,他依然保持着天真烂漫的个性。
たとえ厳しい環境にあっても、彼は天真爛漫な個性を保ち続けた。

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