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日々の学習、ときどき雑談

睁眼瞎

睁眼瞎 [zhēng yǎn xiā]

目が開いているのに見えない。文字を知らない。文盲である。見識がない。「あきめくら」。

「睁眼」は目を開いていること、「瞎」は目が見えないこと。発想も用法も、日本語の「あきめくら」に非常に近いと思われる語。とはいえ、日本語では「あきめくら」はもう括弧なしで使うべき語ではないだろう。私の見た範囲では、こういう障害に関する伝統的な語(当然差別的な語感を含む)の使用を控えたり別の語に置き換えていったりしようという動きは、中国語では日本語ほど強くないようだ。
これについては、文脈無視で機械的に特定の語を避けたり、言葉さえ新しくすればいいかのような安易な日本社会の「差別語」排除もどうかと思うのだが、そういう問題意識があるのかないのか、伝統語をそのまま使い続けている中国社会の感覚もよくわからないところがある。
ともかく、原語に忠実に訳すなら「あきめくら」がぴったりするとしても、それを現在の日本語にそのまま入れるのは問題なので、訳は文脈に合わせて工夫すべきだろう。時代背景や文脈的に原文の語感を(差別的な部分も含めて)残さないといけない場合は括弧や注釈による説明が必要。実際には、どうしても差別的な語を使わなければ意味が伝わらないという場面もそれほど多くはない。

用例
爷爷在旧社会因为家穷上不起学,不识一丁,是个睁眼瞎;解放后参加了识字班,学会了查字典,如今还经常看书读报呢。
おじいさんは旧社会では家が貧しかったため学校に行けず、目に一丁字ない文盲だった。解放後識字教室に参加し、辞書が引けるようになり、今ではいつも本や雑誌を読んでいる。

他眼睛近视得很厉害,不戴眼镜,他几乎是个睁眼瞎。
彼の目は近視がひどく、眼鏡をかけないとほとんど何も見えない。

两面人是党内的毒瘤,应该清除而不是保护!相关党组织是松弛弱化,还是睁眼瞎?
裏表のある人物は党内のガンだ。一掃すべきであり庇ってはいけない!関係党組織は緩んで弱体化しているのか、それとも見て見ぬふりなのか?

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