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日々の学習、ときどき雑談

模棱两可

模棱两可 [ mó léng liǎng kě ]

曖昧でどっちつかずの態度をとること。
「模棱」は曖昧ではっきりしないこと。「两可」はどちらも「可」とする、あれでもいい、これでもいいとしてどっちつかずであること。

出典
旧唐書』蘇味道伝の以下の記述から。

味道善敷奏,多識台閣故事,然而前後居相位數載,竟不能有所發明,但脂韋其間,苟度取容而已。嚐謂人曰“處事不欲決斷明白,若有錯誤,必貽咎譴,但模棱以持兩端可矣。”時人由是號為“蘇模棱”。

(訳)
蘇味道は皇帝への上奏が巧みで、官府の故事をよく知っていたが、前後して数年も宰相の位にいたにもかかわらず、ぱっとしたことは何もできず、どの方面にも愛想よくし、機嫌をとって立ち回るばかりだった。かつてある人に「物事ははっきり決断しようとしてはいけない。もし間違いがあったら必ず責められることになる。ただぼんやりと、どっちもいいということにしておくのだ」と言った。それで当時の人は「蘇模棱」とあだ名した。

こういう政治家や官僚、現代にもたくさんいそうだな。まあしかし、変に有能で悪いことをするよりはひたすら組織の調整役をやっていてくれる方がまし、という場合もある。

用例
文章的主题要旗帜鲜明,不能模棱两可。(文章の主題は旗幟鮮明にすべきで、どっちつかずではいけない。)
对就是对,错就是错,不能模棱两可,让人不知如何是好。(正しければ正しい、間違いなら間違いだ。曖昧にして、聞き手がどうすればいいかわからなくなってはいけない。)
请别怪我模棱两可,因为两边我都得罪不起啊!(どっちつかずですまないが、私はどっちにも恨みを買うわけにいかないのでね!)

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