「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

家族を守った肝っ玉姉ちゃん

「木蘭辞」についてもう少し。 今問題になっているディズニーの実写映画について、次のように触れている文章も読んだ。「物語そのものも女性主人公の個人的な自己実現を重視した1998年のアニメ版と違って、共同体の防衛というナショナリズムを強めていると小…

木蘭辞

(簡)木兰辞 mù lán cí (繁)木蘭辭 (日)木蘭辞 もくらんじ北魏の民謡に基づくといわれる作者不明の物語詩、「木蘭辞」。現在読めるものは宋代に編集された『楽府詩集』(がふししゅう yuè fǔ shī jí)に収められている。楽府とは音楽を司った役所のこと…

池袋中華フードコートの記事

ちょうど酸辣粉について書いたところで、こんな記事が話題になっているのを見つけた。池袋の中華フードコートがほぼ中国 https://dailyportalz.jp/kiji/Ikebukuro-Chinese-food_courtこの記事の中に出ている酸辣粉がまさに私が食べたのとそっくり。ただし10…

久しぶりの酸辣粉

中国の大学は大部分9月中に開講するようだ。新型コロナ流行で先学期はオンライン授業になったり休講になったりしていたが、今は流行も落ち着き、今学期は対面の通常授業に復帰するとのこと。私のいる大学も続々と学生が戻ってきている。 学生向けの食堂、ス…

指鹿为马

指鹿为马 [ zhǐ lù wéi mǎ ]鹿を指して馬とする。事実を無視した主張をすること。故意に事実をねじ曲げようとすること。出典 秦の二世皇帝胡亥(こがい hú hài)の時、権力奪取を狙っていた丞相の趙高がわざと鹿を馬だと言い、他の家臣たちにも同意を求めた…

ツァオツー?

やはり私には、街の人たちの何気なく癖のある発音を聞き取るのが一番難しい……。今日は学内の売店でやや年のいった感じの店員さんに道をきいたのだが、「有个ツァオツー」というようなことを言われて、cao ci? cao chi?とよくわからないままとにかく言われ…

颠倒黑白

颠倒黑白 [ diān dǎo hēi bái ](黒を白といい白を黒というように)事実を無視して無理を通すこと。出典 屈原『楚辞』九章懐沙の「變白以爲黑兮、倒上以爲下」(白を変えて黒にしてしまい、上を転倒させて下にする)より。しかし、特に出典がなくても自然に…

蛛丝马迹

蛛丝马迹 [zhū sī mǎ jì]かすかな手がかり。 「蛛丝」は蜘蛛の糸、「马迹」はカマドウマの残した跡ということで、そのように小さな変化のこと。「马」は文字だけ見ると馬だが、ここでは馬ではなく、カマドウマ(灶马)のことであるという。清代からある成語…

熙熙攘攘

熙熙攘攘 [ xī xī rǎng rǎng ]人通りが多くにぎやかな様子。活気がある様子。 「熙熙」は和やかで楽しそうな様子、「攘攘」は入り乱れている様子とのこと。出典 『史記』貨殖列伝の「天下熙熙、皆為利来、天下攘攘、皆為利往」(天下の人が楽しそうににぎや…

猫腻

猫腻 [māo nì]ごまかし。たくらみ。ずる。不正。正確な語源は不明らしいが、もとは北京の俗語で、「腻」とは猫の糞尿、猫は糞尿に砂をかけて隠すので、悪だくみを隠して行うことを指すようになった、などと説明されている。 日本語でも同じ猫の習性をもとに…

溜 [ liū ]さらっとまとめられるかと思ったら意外に手強い文字だった。まず、多音字でliūとliù、一声と四声の場合があるのだが、ややこしいので今回は一声の溜だけ扱う。 liūだけでも、ネットの辞書には次のような多くの意味が挙げられている。【动】 滑动〖…

歯の名称

日本語の「歯」は基本的に「牙 yá」となる。 また、日本語では歯は「本」で数えるが、中国語では「颗 kē」。「颗」は粒状のものを数える時に使う量詞。以下、いろいろな歯の名称と歯に関係する単語。乳牙 rǔ yá 乳歯 恒牙 héng yá 永久歯 门牙 mén yá 前歯、…

瞅 [ chǒu ]読音がqiuでもjiuでもなくchouだというのがまず学習者泣かせ。 辞書によると「指用眼睛看。与看的区别为瞅代表斜着眼看」ということで、目で見ることだが普通の「見る」より意味が狭く、「斜着眼」、目を細めて睨む、見据える、見つめるといった…

鴨の群が高速道路に

ちょうど「超车」が出てくるこんなニュースが。上海と成都を結ぶ沪蓉高速(沪、蓉はそれぞれ上海、成都の別称)の垫江区間で、50羽ほどの鴨が道路に入り込む珍事が発生。鴨は本線と追い越し車線の間を行ったり来たりし、通りかかった車は急ブレーキ、現場は…

超车

超车 [ chāo chē ](車での)追い越し。 ラジオで言われてわからなかった。自分では運転をしないので交通用語にはつい関心が薄くなってしまうが、聞き取れないと困る。 ここで「超」を使うのね。でもスーパーカーという意味ではない。それは「超级车 chāo jí…

逗 [ dòu ]これもまず辞書の記述を。百度汉语から复制&粘贴。1.引逗:他正拿着一枝红花~孩子玩。 2.招引:这孩子两只灵活的大眼睛很~人喜欢。 3.逗笑儿:她是一个爱说爱~的姑娘。 4.有趣;可笑:这话真~。 5.停留。 6.同“读”(dòu)。「引逗」とか「逗…

文绉绉

文绉绉 [ wén zhōu zhōu ]口調などが文語的で固く、上品で教養を感じさせる様子。用例 又走进一个人来,摇着白纸诗扇,文绉绉的。(呉敬梓『儒林外史』第五四回)(また一人、白い詩扇を揺らし、文人然としたのが入ってきた。) 他看起来是一个文绉绉的书呆…

蘇州市の「文明コード」

日本でも多少報道されているが、今中国で文明コード(文明码)なるものが物議を醸している。中国では新型コロナウイルスの流行対策として、半年ほど前から健康コード(健康码)の導入が各地で進められてきた。この「码 mǎ」は現在の中国では電子決済などに使…

三六九等

三六九等 [ sān liù jiǔ děng ]さまざまな等級。等級の区別。用例 把工作分成三六九等是错误的。(仕事を上等だの下等だのと分けるのは間違いだ。) 我不赞成你把朋友分为三六九等,厚此薄彼,因为这样会失去朋友。(君が友達に上下の区別をつけて待遇を変え…

相形见绌

相形见绌 [ xiāng xíng jiàn chù ]他のものと比べて足りない、及ばない。ここの「形」は比べる、「绌」は足りないという意味。用例 与他的作品比起来,我的作品就相形见绌了。(彼の作品と比べれば、私の作品は見劣りしてしまう。) 我,虽有点进步,但与之…

刮目相待

刮目相待 [ guā mù xiāng dài ]目をこすって応対する。見直す、新しい目で見てみる。出典 『三国志』呂蒙伝の注に引かれている『江表伝』の「士别三日、即更刮目相待」(士は別れて三日もすれば、目をこすって見直すべきものだ)より。 呂蒙は呉の孫権に仕え…

字画骗局

字画骗局 [ zì huà piàn jú ]ニュースを聞いていたら出てきた言葉。こういう言い方があるのか。 「字画」は書画。書や絵画などの美術品のこと。「骗局」は詐欺。「字画骗局」を日本語でわかりやすく訳すなら、美術品詐欺、骨董詐欺、などになるだろうか。 「…

刮 [ guā ]ひとまず辞書から引用。1. 用刀子去掉物体表面的东西:~脸。~宫(子宫手术)。~削。~痧(民间治疗某些疾患的方法,刮皮肤,使充血,以减轻炎症)。 2. 掠夺财物:搜~。~地皮(搜刮民财)。 3. 在物体表面上涂抹:~糨子。 4. 风吹动:大风~…

腻子

腻子 [ nì zǐ ]漆喰(しっくい)。石灰を主成分とする塗料。廊下の壁塗り作業を見ながら、日本語の「漆喰」は何と言うのだろうと思ったが、これを見てわかった。粉の状態の漆喰は「腻子粉 nì zǐ fěn」、漆喰を塗ることは「刮腻子 guā nì zǐ」というとのこと…

内モンゴル自治区で住民が言語政策に反発

内モンゴル自治区の中学、高校で、これまでモンゴル語で行われてきた一般科目の授業を漢語に変えたり、漢語の教科書を導入したりする政策が発動。これにモンゴル族住民が強く反発し、登校ボイコットなどが起きているとのこと。微博で検索すると、たしかにモ…

ススリャ!

昨日から、私が住んでいる階の廊下で、壁の漆喰を剥がして塗り直すという作業が突然始まった。何か騒がしいなと思いつつ部屋にこもって過ごし、夜になってから出てみると廊下はこんな具合になっていた。作業は今日も続いている。 作業しているのは二、三人の…

兄弟は手足、妻子は衣服?

ブログ『沈思翰藻』のこの記事を読んでちょっと興味を引かれたこと。 http://chugokubungaku.hatenablog.com/entry/2018/12/25/191500『三国志演義』に見える劉備の発言「兄弟は手足のごとく、妻子は衣服のごとし」に触れて、筆者は次のように言っている。"…

抗日战争胜利纪念日

今日、9月3日は中国の「抗日战争胜利纪念日」ということで、ネットでもいろいろと関連ニュースが流れていた。習近平も談話を発表している。75周年。 日本では「終戦記念日」といえば8月15日だが、中国では日本が降伏文書に調印した9月2日に基づいて、翌日の9…

茅屋為秋風所破歌(杜甫)

今日から明日にかけて台風が来るということで、大学の事務から注意の呼びかけがあった。先日も同じようなことが一度あったのだが、風も雨も私から見ると大したことはなく、ちょっと拍子抜けだった。西日本で毎日のようにゲリラ豪雨や台風に襲われる夏を経験…

大放厥词

大放厥词 [ dà fàng jué cí ]好き勝手なことを言う。大口を叩く。(貶す意味を含む。)ただし、典故である韓愈の『祭柳子厚文』では、美しい文辞を多く生み出した、という称賛の意味で使われていた。出典 中唐の文人韓愈が友人の柳宋元の死に際して著した『…