「中国語」とか、「漢文」とか

日々の学習、ときどき雑談

典故

鱼肉百姓

鱼肉百姓 [yú ròu bǎi xìng]民衆を痛めつけ支配すること。 「鱼肉」は刀で捌かれ料理されるものということで、「百姓」をそのように扱うということ。 「鱼肉乡里」ともいう。出典 『後漢書』長仲統伝に引用されている長仲統の著作「損益篇」に「魚肉百姓、以…

三十六计,走为上计

三十六计,走为上计[sān shí liù jì,zǒu wéi shàng jì]「三十六计,走为上策」ともいう。 三十六計逃げるに如かず。戦略はいろいろあるが、形勢が不利な時には逃げるのがいいということ。日本語の「三十六計逃げるに如かず」ということわざになり、意味も…

模棱两可

模棱两可 [ mó léng liǎng kě ]曖昧でどっちつかずの態度をとること。 「模棱」は曖昧ではっきりしないこと。「两可」はどちらも「可」とする、あれでもいい、これでもいいとしてどっちつかずであること。出典 『旧唐書』蘇味道伝の以下の記述から。味道善敷…

一叶知秋

一叶知秋 [ yī yè zhī qiū ]一枚の葉が落ちることから秋が来るのを知る。小さな手がかりから情勢の変化を察知すること。出典 『淮南子』説山訓の「見一葉落、而知歲之將暮、睹瓶中之冰、而知天下之寒、以近論遠」(一枚の葉が落ちるのを見て、歳が暮れようと…

扑朔迷离

扑朔迷离 [ pū shuò mí lí ]事情が複雑でわかりにくい。わけがわからない。出典 『木蘭辞』の「雄兔腳撲朔、雌兔眼迷離」より。この詩句は、兎の耳を握って持ち上げると、雄の兔は前足をばたつかせ(撲朔)、雌の兔は眼を細める(迷離)ので区別できるという…

指鹿为马

指鹿为马 [ zhǐ lù wéi mǎ ]鹿を指して馬とする。事実を無視した主張をすること。故意に事実をねじ曲げようとすること。出典 秦の二世皇帝胡亥(こがい hú hài)の時、権力奪取を狙っていた丞相の趙高がわざと鹿を馬だと言い、他の家臣たちにも同意を求めた…

颠倒黑白

颠倒黑白 [ diān dǎo hēi bái ](黒を白といい白を黒というように)事実を無視して無理を通すこと。出典 屈原『楚辞』九章懐沙の「變白以爲黑兮、倒上以爲下」(白を変えて黒にしてしまい、上を転倒させて下にする)より。しかし、特に出典がなくても自然に…

熙熙攘攘

熙熙攘攘 [ xī xī rǎng rǎng ]人通りが多くにぎやかな様子。活気がある様子。 「熙熙」は和やかで楽しそうな様子、「攘攘」は入り乱れている様子とのこと。出典 『史記』貨殖列伝の「天下熙熙、皆為利来、天下攘攘、皆為利往」(天下の人が楽しそうににぎや…

刮目相待

刮目相待 [ guā mù xiāng dài ]目をこすって応対する。見直す、新しい目で見てみる。出典 『三国志』呂蒙伝の注に引かれている『江表伝』の「士别三日、即更刮目相待」(士は別れて三日もすれば、目をこすって見直すべきものだ)より。 呂蒙は呉の孫権に仕え…

大放厥词

大放厥词 [ dà fàng jué cí ]好き勝手なことを言う。大口を叩く。(貶す意味を含む。)ただし、典故である韓愈の『祭柳子厚文』では、美しい文辞を多く生み出した、という称賛の意味で使われていた。出典 中唐の文人韓愈が友人の柳宋元の死に際して著した『…

矛盾

矛盾 [máo dùn]矛盾。衝突。対立。コンフリクト。出典 『韓非子』難一にある次の喩え話より。(原文) 楚人有鬻楯與矛者,譽之曰:『吾楯之堅,莫能陷也。』又譽其矛曰:『吾矛之利,於物無不陷也。』或曰:『以子之矛陷子之楯,何如?』其人弗能應也。夫不…

不胫而走

不胫而走 [ bù jìng ér zǒu ]情報や作品などがすばやく広まること。 「不胫而行」「无胫而走」「无足而走」ともいう。類義語 不翼而飞出典 漢の孔融『論盛孝章書』の「珠玉無脛而自至者,以人好之也,况賢者之有足乎」(珠玉が足もないのにやってくるのは、…

不翼而飞

不翼而飞 [ bù yì ér fēi ]噂などが飛ぶように広まる。また、物などが突然見当たらなくなる。どこかに消え失せる。出典 『管子』戒の「無翼而飛者聲也」(翼もないのに飛んでいくのは声です)より。 また、『戦国策』秦策三に「衆口所移、毋翼而飛」(人々の…

杯弓蛇影

杯弓蛇影 [ bēi gōng shé yǐng ] 実体のないものに怯えること。疑心暗鬼。出典 後漢の学者応劭(おうしょう)の『風俗通義』怪神にある次のような記述より。予之祖父郴為汲令,以夏至日詣見主簿杜宣,賜酒。時北壁上有懸赤弩,照於柸,形如虵。宣畏惡之,然…

七夕

今日は陰暦の七夕らしい。中国では今でも伝統行事には陰暦を使う。七月七日が陽暦で何月何日になるかは毎年変わるが、陽暦の日付よりだいたい一か月半くらい遅れると覚えておくと陰暦の季節感がわかる。七夕といえば牽牛織女(現在の中国では「牛郎织女」と…

每况愈下

每况愈下 [ měi kuàng yù xià ]ますます悪くなる。悪化する一方だ。 「况」はここでは比べるという意味、「愈」はますます、いよいよ。比べるごとにますます下降していく、ということ。出典 南宋の洪邁による随筆『容斎続筆』蓍亀卜筮に「人人自以为君平,家…

江河日下

江河日下 [ jiāng hé rì xià ](長江や黄河がひたすら流れ下るように)日々悪くなること。状況の悪化が止まらないこと。出典 宋の蘇轍『欒城集』に収められた「応詔進策 君術策第五道」の一節、「其狀如長江大河,日夜渾渾趨於下而不能止」(その様子は長江…

含沙射影

含沙射影 [ hán shā shè yǐng ]陰で他人を攻撃して陥れる。遠回しに当てこする。出典 晋の干宝『搜神記』卷十二にある「其名曰蜮,一曰短狐,能含沙射人,所中者則身體筋急,頭痛、發熱,劇者至死」(その名を蜮といい、短狐ということもある。砂を含んで吐…

缘木求鱼

缘木求鱼 [ yuán mù qiú yú ]目的に対し方法が不適切で達成できないこと。 日本語でも「木に縁(よ)りて魚(うお)を求む」ということわざになっている。出典 『孟子』梁惠王上の「以若所為求若所欲、猶緣木而求魚也」(その行為でもってその欲望を満たそう…

刻舟求剑

刻舟求剑 [ kè zhōu qiú jiàn ]融通がきかないこと。形式にこだわって失敗すること。出典 『呂氏春秋』察今の下記の部分より。(原文) 楚人有涉江者,其劍自舟中墜于水,遽契其舟曰:“是吾劍之所從墜。”舟止,從其所契者入水求之。舟已行矣,而劍不行,求劍…

观者如堵

观者如堵 [ guān zhě rú dǔ ]観客が多く集まり人垣ができること。非常に人気があること。出典 『禮記』射義の「 孔子射於矍相之圃、蓋觀者如堵墻」(孔子が矍相の畑地で弓を射たところ、観客が集まって垣根のようになった)より。 「矍相 jué xiāng」は地名…

色厉内荏

色厉内荏 [ sè lì nèi rěn ]外面は強硬だが内面は軟弱。虚勢を張っている様子。見かけ倒し。出典 『論語』陽貨篇「子曰、色厲而內荏、譬諸小人、其猶穿窬之盜也與。」(先生が言われた。外面が強そうで内面が弱いというのは、小人にたとえることができる。ま…

不速之客

不速之客 [ bù sù zhī kè ]突然やって来た客。招かれざる客。この「速」は速いという意味ではなく、招く、招待するという意味の動詞。古い文献に見られる用法。(なにしろ出典が『易』だ……)出典 『易』の需の卦「有不速之客三人來、敬之終吉」(突然の客が…

见义勇为

见义勇为 [ jiàn yì yǒng wéi ]正義だと思ったことは勇気をもって行う。積極的に正しいことをする。人助けをする。対義語 见义不为 [ jiàn yì bù wéi ] 袖手旁观 [ xiù shǒu páng guān ]出典 『論語』為政篇の「見義不為,無勇也。」(正義だと見ながら実行…

上下求索

上下求索 [ shàng xià qiú suǒ ]苦労して探し求めること。出典 屈原による長詩『離騒』の詩句「路曼曼其脩遠兮、吾將上下而求索」(道ははるばると遠く、私は上り下りして探し求める)より。用例 只要我们上下求索,我们最终就能得到我们想要的。(懸命に探…

滥竽充数

滥竽充数 [ làn yú chōng shù ]能力がないのに、能力のある人々に混じって能力があるかのように振る舞うこと。本来そこにいるべきではない者が紛れ込んでいること。 謙遜として使われることもある。出典 『韓非子』內儲説上より。(原文) 齊宣王使人吹竽、…

狐埋狐搰

狐埋狐搰 [ hú mái hú hú ](狐がものを埋めては掘り返すように)疑いすぎて決断できない様子、優柔不断のため成功しない様子。 「狐埋狐扬」とも。出典 『国語』呉語の「夫諺曰、狐埋之而狐搰之、是以無成功。」(諺でこう言われています。「狐は埋めては掘…

逃之夭夭

逃之夭夭 [ táo zhī yāo yāo ]こっそり逃げ出す。トンズラする。類義語 溜之大吉 [ liū zhī dà jí ] 一走了之 [ yī zǒu liǎo zhī ]用例 为了躲避警方追捕,他急忙趁着黑夜往山区逃之夭夭。(警察の追跡を避けるため、彼は夜のうちに急いで山の方へ逃げ出した…

愚不可及

愚不可及 [ yú bù kě jí ]愚かさが及びもつかないほどだ、極端に愚かだということ。 ただし、この語には典故があり、そこでの意味は異なる。典故は『論語』公冶長(こうやちょう)篇にある下記の部分。子曰:「甯武子邦有道則知,邦無道則愚。其知可及也,其…

叶公好龙

叶公好龙 [ yè(shè) gōng hào lóng ]葉公龍を好む。何かを好んでいるように言うが、真に好んでいるわけではないこと。口だけで実行が伴わないこと。葉公の「葉」は伝統的にはshèと読み、日本の漢文でも「しょう」と読まれてきた。現在の中国では基本的にyè…